RMR的オーディオドラマの作り方。
第13回目は、効果音の作り方その2です。
今回は真似していただいても大丈夫かも(汗)
第2回で掃除機から某機動○士が乗る宇宙戦艦のハッチが開く音を作るというのをやりました。
http://rmrblog.blog45.fc2.com/blog-entry-362.html効果音をつくる際に、全部ソフトウェア上で作ったりもしますし、マイクを持って音を拾いにいくこともあります。
スタジオの中に録音室を作っていろんな電動工具を鳴らしたり、壁に花瓶をぶつけて割るなんてのは、個人製作だとなかなかできない環境ですから、そういうのは羨ましいですよね。
さて、今回のお題は!
「まったく電子的な音じゃない組み合わせからSF風味の効果音をつくる」です。
使った材料はコレ。
「自宅の居間の引き戸」と「100円ショップで買った模造紙」です。
引き戸を使うポイントは、2歳の甥っ子が勝手に開けられないようにするために取り付けたストッパー。
しかも、そのストッパーを無視して強制的に開けたために壊れた部分があることです。
模造紙は包装用の袋に入ったまま使います。
この模造紙で、引き戸を適当になでます。
なでるときに、ストッパーの壊れたほうの上を擦ります。
それをスマホで録音した音がこれ。
引き戸を擦った生音 ←クリックで再生 mp3 20秒
もうこの時点でなにやらショボいロボットの足音みたいになってますが・・・
スマホで録音していますし、なんの防音措置もとっていないので、いろんな雑音も拾ってますが、それも利用します。
むしろ、統一性のない雑多な音が威力を発揮する場合があります。
それを加工したのがこれ。
引き戸を擦った音を加工 ←クリックで再生 mp3 20秒
基本工程は次の通りです。
いろんなやり方がありますが、今回は、波形編集ソフトのDigiOnSound 6を使いました。
DAWを使う場合、生の音にそのまま波形を非破壊状態でVSTプラグインによるエフェクトをかけることもありますけれど、「とにかく意味不明な音を適当に作る」という作業の場合、個人的にはDigiOnSoundが昔から好きです。
DigiOnSound 6は、波形を完全に加工していまいますから、音を合成する場合、念のため、加工する音を別トラックにコピーしてから、そこにエフェクトを施します。
でもって、これらをやればやるほど、あとで、どのトラックを合成して書き出すかによって、いろんな表情をもった効果音が出来上がるのが、これまた楽しいわけです。
で、手順です。
1.元の音に部分的にノイズフィルターを通して、適当に綺麗な部分とザワザワした部分をつくる
2.そこにリバーブを反響時間短めにかける
3.さらに部分的に適当にちょっとだけディレイをかける
4.最初のインパクト音が目立つので、それをアタック遅めでリリース早目なコンプレッサーをかけて少しまろやかに。
5.4番にスムージングをかけてザラツキ感のないバージョンをつくる
6.4番をイコライザーで調整して低い音の成分だけ増幅して1kHz以上の音はカット
7.5番をピッチシフト機能で長さそのままで音程を下げて、それを大げさにリバーブ
8.5番の状態は、引き戸を擦る連続音になっているので、1擦りずつに分割
9.8番で細切れにして各擦り音を、これまた適当に加工して、配置する場所も適当にずらしてみる
10.それを全部合成しておしまい
加工した音を聴いたとき、まさか、これが引き戸を模造紙で擦ったものだとはお天道様も気がつきゃしまい!って感じだと思うんですが、いかがでしょう。
今回は、「こういう音を作ろう」というコンセプトありきではなく、身近な音からSFっぽい音をつくるというテーマのため、この音がなんの音かはあんまり重視していません。
音声劇の場合、この音の前後に、「異星人が銃を撃ってきた!」「うわー光線銃で撃たれた!」といえば、レーザー光線になるでしょうし、「なにか不気味な足音が聞こえてくるわよ」といえば、謎のロボットの足音にもなります。
現実にはない音ですから、何の音かは説明しないとわかっていただけません。
「これはエイリアンの母船から出ている不思議な波動の音なのです!」と作者がどれだけ精魂こめて作っても、それを誰も台詞で触れなければ、リスナーさんは「まったく意味不明な音がたまに鳴ってるけどアレなんなの?うるさいだけなんだけど…」となるだけです。
そんなわけで、みなさんも、こんな材料でこんな効果音を作ったぞ!ライフを満喫してください。
え? そんな変態的な趣味の人はいないって?
そ、そうかもしれませんね(汗)
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